GRID(2019) 時代の流れに取り残された不遇の名作を今こそプレイ


全国8千万のGRIDファンのみなさん、ごきげんいかがですか。などと適当なことを言いつつ、実際のファンは80人くらいなんだろうけど、かく言う僕は話題騒然(絶対ウソ)の新作「GRID(2019)」を黙々と走り続け、ついにキャリアモード104レースの全てで1位を獲得した。まさに2位じゃダメなんですか?という感じであって、要するに通常版に用意されたイベントを完全クリアしたわけである。そして、ここまでやり抜いた者はなんと2.8%だそうで、このゲームを購入したやつの97.2%は途中で投げてしまった勘定であるから、いかに見る目のないやつが多いかという証明と言えるだろう(あるいはその逆だったりする)。といっても、ゲームをやる層のほとんどが「挙動、挙動」ばかりほざいている免許も持ってないゆとりだろうから、大人のゲームである「GRID(2019)」の真価が理解できないのも当然であろう。


さて、現実には酷評の嵐という感じのこの一作だが、どの辺が僕の心にビビビッときたのかと言えば、やはり美しい風景の中を気持ちよくレースできることが第一だと思う。過去作で見たようなコース、かつて戦ったレーサーやチームが当たり前のように登場して、敵意むき出しで体当たりしてくるのをさらりとかわしながら、華麗なドリフトを決めていく爽快さ。これはいわば昭和プロレスを回顧するオールドファンみたいなものであり、到底ゆとりの入り込める境地ではないのだった。冷静に見れば同じようなイベントを繰り返すワンパターンの作業ゲームであり、せっかく復活したGRIDなのであるが、こいつはこれ一本で終わりになるだろう(松田優作ふうに)。これは過去作の思い出全てをひっくるめた上での、集大成としてのノスタルジックなゲームなのだ。後楽園ホールで行われた馬場とガニアの一戦を、若い子がいきなりビデオで見ても「このおじいさんたち、なにやってんの」と思うだろう。それは情報不足と無知の結果であって、ゆとりの罪というわけではない。ゆとりであること自体が罪とも言えるが(笑)。


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そして、おじさんが常に回顧しているのが一作目の「Race Driver Grid」であることは言うまでもない。この第一作はプレステでかなり人気のあった「TOCA Race Driver」の流れを汲んでいて、ひと時代前のシミュレーション系レースゲームにアクションの要素を入れたら、それが偶然にも(?)絶妙の仕上がりの名作となったのである。2000年代当時にも、いわゆる挙動にこだわったゲームは主にPC方面ですでに出ていたのだが、「Race Driver Grid」は細かな演出と走りの爽快さ、リプレーの小気味良さといったゲーム・デザイン面で抜きん出た存在だったと思う。内容的にはほとんど同じことをやっている「Grid2」が一作目に及ばなかったのは、細部の作り込みの部分でどうしても手抜きが見えてしまい、ピリッとしたところが失われたせいだろう。前作のスタッフが大量解雇された影響は明らかであり、レシピは同じであっても料理人の力量によって出来栄えに差がつくのは当然と言えよう。


しかしながら、「Grid2」も「AUTOSPORT」もそれなりによくできたゲームであって、挙動バカどもがけなすほどにクソゲーというわけではない。なにしろ、やっていることは名作と言われた一作目とほぼ一緒なんだから、これは大コケするわけがないのである。確かに、二作目以降は気の抜けたファンタというか、コーヒーを入れないクリープというか、締まらない部分もあるのだが、それもひっくるめてのGRIDシリーズであろう。僕は自分好みにセッティングして楽しくレースするのが全てだと考えているので、挙動好きのガキがなんで爽快じゃないゲームばかり絶賛するのか、理解できないのである。「GRID(2019)」に関して言えば、現在の流行からは相当にズレたゲームであることは確かだろう。ひいき目に見てもクソゲーではないがダメゲーである(笑)。それでも、メチャクチャにけなすのならば、せめて通常版くらいはやり込んでからけなしてもらいたい。こっちは104イベントの全部で1位を取った、世界に2.8%しかいない上級国民(どこが)なのである。







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